下村政嗣

下村政嗣

公立千歳科学技術大学 客員教授

公立千歳科学技術大学・客員教授 1954年に九州博多に生まれ、八代、福岡、名古屋、桑名、茨木、高松を転々として、また福岡に。福岡市の中学、高校を卒業し九州大学に入学。九州大学工学部助手から東京農工大学工学部助教授を経て、北海道大学電子科学研究所教授に着任しました。北海道大学では、ナノテクノロジー研究センターを設立し、また、理化学研究所チームリーダーを兼任しました。東北大学多元物質科学研究所教授に異動、原子分子材料科学高等研究機構主任研究者の兼任を経て、2014年より千歳科学技術大学教授に着任し、2024年に退官しました。北海道大学、東北大学、公立千歳科学大学から名誉教授称号を授与されました。研究分野は、高分子科学、自己組織化、ナノテクノロジー、バイオミメティクス。退官後も、公立千歳科学技術大学客員教授、北海道大学総合博物館資料部研究員、特定非営利活動法人バイオミメティクス推進協議会理事長、高分子学会バイオミメティクス研究会運営副委員長などの立場で、地域連携や産官学連携のお手伝いをさせて頂いております。

講演タイトル

『人新世』の科学と技術、さて、どう使う? -自然に学ぶバイオミメティクス、自然共生を目指すエコミメティクス-

内容

皆さんは、AIが生物を模倣していること、ご存知でしょうか。私たちの身の回りにいる生物を真似たものは、AIだけではありません。レオナルド・ダ・ビンチは、鳥や虫を見て飛行機を発想しました。私は、1972年に大学に入学して以来、半世紀、大学や研究所、博物館、産業界、地域の方々と連携し、生物を模倣する科学技術の開発に携わってきました。生物は、自己組織化という現象を上手に使うことで、環境負荷の低い生き様を持っています。一方、これまでの人間の活動は、環境に大きな負荷をかけ、そして今や、『人新世』と称されるように、気候変動、環境汚染、生物多様性劣化、などを招いています。本日は、私が生きてきた時代の中で、研究者となった背景と動機、自己組織化ナノテクノロジーからバイオミメティクスに至る研究の足跡と、その反省を踏まえたエコミメティクスの提言、そして今後の課題解決において科学技術の使い方を考えてみたいと思います。

登壇日時

7/19 9:30~11:00